
2026年(令和8年)4月1日から、自転車の交通違反にも交通反則通告制度=いわゆる「青切符」が適用されるようになりました。フードデリバリーを自転車で走っている方にとっては、他人事ではない話です。
ネット上には「自転車は原付より軽い扱い」という感覚で書かれた情報も見かけますが、条文を開くと、そうとは言い切れません。この記事では、新宿駅前のレンタルバイク専門ウバレンが、道路交通法と道路交通法施行令の条文、それに警視庁の案内をもとに、配達員が知っておきたい点だけを整理します。原付側のルールは原付配達の交通違反リスクと守るべき道交法ポイントにまとめてあります。
自転車の違反が「青切符」で処理されるようになった
交通反則通告制度は、一定の違反について反則金を納めれば、その行為について公訴を提起されず、家庭裁判所の審判にも付されないという仕組みです(道路交通法第128条第2項)。自動車や原付ではおなじみのこの制度が、自転車にも広がりました。
警視庁ホームページの案内では、警察官が自転車の違反を認知した場合は基本的に指導警告を行い、交通事故の原因となるような悪質・危険な違反であったときに取締りを行う、とされています。また取締りの対象は16歳以上の運転者で、16歳未満には原則として指導警告を行う、とも明記されています。これは条文の側でも、16歳未満の者は反則者から除かれている(第125条第2項第4号)ことと対応しています。
▶ 「青切符で済まない」ケースがある
同じ第125条第2項では、ほかにも反則者から除かれる場合が定められています。配達員に関係するのは次の2つです。
ひとつは、その違反によって交通事故を起こした場合(第3号)。もうひとつは、酒気帯びの状態で自転車を運転していた場合(第2号)です。どちらも反則金を納めて終わりにはならず、通常の刑事手続に進みます。急いでいて出会い頭にぶつかった、というのは配達では起こり得る事故ですが、その時点で青切符の話ではなくなる、ということです。
反則金の額は「原付と同じ」——条文の『原付等』に自転車が入っている
ここがいちばん誤解されやすいところです。反則金の額は道路交通法施行令の別表第六で決まっていますが、この表で金額が振り分けられている車種は「大型車」「普通車」「二輪車」「原付等」の4区分です(違反の種類によっては、これに「重被牽引車」が加わります)。そして同表の備考で、「原付等」とは、小型特殊自動車、原動機付自転車及び軽車両(重被牽引車を除く。)をいうと定義されています。
つまり自転車は「原付等」の欄で読む=原付と同じ金額ということです。自転車専用の安い欄が用意されているわけではありません。主なものを抜き出すと、次のようになります。
| 違反の種類 | 反則金(原付等) |
|---|---|
| 携帯電話使用等(保持)=ながらスマホ | 12,000円 |
| 遮断踏切立入り | 7,000円 |
| 信号無視(赤色等)、通行区分違反、横断歩行者等妨害等、安全運転義務違反 | 6,000円 |
| 指定場所一時不停止等、通行禁止違反、信号無視(点滅) | 5,000円 |
| 無灯火、自転車制動装置不良(ブレーキが利かない状態) | 5,000円 |
| 歩道徐行等義務違反、路側帯進行方法違反、並進禁止違反、自転車道通行義務違反、軽車両乗車積載制限違反(二人乗りなど) | 3,000円 |
配達中に起きやすいのは、上から順にながらスマホ・信号無視・一時不停止でしょう。地図を見ながらの走行が12,000円というのは、1日の売上が飛ぶ金額です。しかも「保持しての通話や画面の注視」がこの額で、それによって交通の危険を生じさせた場合は反則行為ではなくなり、反則金で終わりにはなりません。
なお夜間の無灯火は、自転車では軽く見られがちですが5,000円です。ライトの電池切れは、配達の最中に起きるとそのまま違反状態が続きます。日没が早い時期の走り方は日没が早くなる季節の配達でも触れています。
告知を受けてから納付までの日数
切られた後の流れも、条文で日数が決まっています。稼働の合間に手続きすることになるので、日数の感覚は持っておいたほうがよいところです。
① その場で告知を受ける
警察官から、反則行為となるべき事実の要旨と、次の通告を受けるための出頭の期日および場所が書面で告知されます(第126条第1項)。
② 仮納付するなら7日以内
告知を受けた者は、告知を受けた日の翌日から起算して7日以内に、反則金に相当する金額を仮に納付することができます(第129条第1項)。「することができる」であって義務ではありませんが、ここで払っておけば手続きは早く終わります。
③ 通告を受けたら10日以内
仮納付をしなかった場合は、後日、警察本部長から反則金の納付を書面で通告されます。この場合の納付期限は通告を受けた日の翌日から起算して10日以内です(第128条第1項)。この期間内に納付すれば、その行為について公訴は提起されません。
ここで見落としやすいのが、通告書の送付に要する費用です。第127条第1項は、告知された出頭の期日・場所に出頭した場合と仮納付をしている場合を除いて、反則金とあわせてこの送付費用も通告すると定めています。つまり、出頭も仮納付もせずに通告を待つと、その分だけ支払う額が増えるということです。
逆に納めなければ、反則金で処理する道を選ばなかったことになり、通常の刑事手続に進むことになります。「放っておけば消える」ものではない、という点だけは押さえておいてください。
点数がない代わりにある「自転車運転者講習」
原付には違反点数が積み上がり、累積すれば免許停止になります。自転車には運転免許がないため点数もつきませんが、その代わりに自転車運転者講習制度があります。
警視庁ホームページの説明では、信号無視などの危険行為(16種別)で取締りを受けた、または交通事故を起こして送致された場合に、3年以内に違反・事故を合わせて2回以上反復したときは、公安委員会から3か月以内に講習を受けるよう命じられます。受講時間は3時間、手数料は6,150円。命令に従わなかった場合は5万円以下の罰金です(道路交通法第120条第1項第17号)。都内だけの取締りに限らない、という注記も付いています。
危険行為の16種別には、信号無視・通行禁止違反・指定場所一時不停止等のほか、酒気帯び運転・安全運転義務違反・携帯電話使用等・自転車制動装置不良も入っています。ブレーキの利かない自転車で走ること自体が、この枠に含まれているということです。
あわせて、2024年(令和6年)11月1日の改正で、自転車のながらスマホと酒気帯び運転には罰則が整備されています。警視庁ホームページによれば、ながらスマホは6月以下の拘禁刑または10万円以下の罰金、交通の危険を生じさせた場合は1年以下の拘禁刑または30万円以下の罰金、酒気帯び運転は3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金です。「自転車だから」で説明できる軽さは、もう残っていません。
自転車のまま続けるか、原付に替えるか
ここまで見てきたとおり、反則金の額という一点だけを取れば、自転車と原付に差はありません。同じ信号無視が同じ6,000円です。「自転車のほうが取り締まられても安く済む」という前提で走っているなら、そこは組み替えたほうがよいと思います。
そのうえで違いが出るのは、稼ぎ方のほうです。原付なら坂と距離の負担が減り、受けられる案件の範囲が広がります。配達手段を切り替えるときの手続きはロケットナウで自転車からバイクへ、必要な免許と持ち物は原付バイクで配達を始めるのに必要な免許と持ち物にまとめています。
「原付は維持費が心配」という方こそ、レンタルという選び方が向いています。車両の整備も保険も店側が持つ形なら、増えるのは月額だけで済みます。
出典:警視庁ホームページ「自転車の交通反則通告制度(青切符)の導入」、警視庁ホームページ「自転車運転者講習制度」(いずれも2026年8月25日閲覧)。本記事では、これらの内容を要約・編集して紹介しています。反則金の額は道路交通法施行令別表第六、手続の日数は道路交通法第125条から第129条、二人乗りなどの制限は同法第57条によります(2026年8月25日確認)。制度の運用は変わることがありますので、最新の情報は各公式ページでご確認ください。
ウバレンは新宿駅東南口から徒歩30秒、デリバリー配達専門のレンタル原付バイク店です。任意保険付き・消耗品当社負担・初期費用の後払いにも対応しています。月額と車種は料金表のページ、車両のラインアップはお取扱い車両のページをご覧ください。
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