配達員の開業届・国保・年金|2026年に変わった提出期限

新宿駅前レンタルバイク原付デリバリー専門ウバレン

 

ウーバーイーツや出前館の配達は、多くの場合「業務委託」です。つまり働いている本人は個人事業主で、会社員のときは会社がやってくれていた手続きを、自分でやることになります。そして2026年(令和8年)1月1日から、開業届の提出期限が変わりました。この記事では、配達を始めたら関わってくる開業届・国民健康保険・国民年金・インボイスの4つについて、国税庁・日本年金機構・厚生労働省の情報をもとに、ウバレンが整理してお伝えします。

配達員は「個人事業主」。会社員と何が変わるのか

会社に勤めていたときは、健康保険も厚生年金も給与から天引きで、税金は年末調整で終わっていました。業務委託の配達員になると、この3つが全部自分の手に戻ってきます。

厚生労働省は、国民健康保険の加入資格について、日本国内に住所を有する方であって、他の医療保険(健康保険)に加入している方やその被扶養者、生活保護を受けている方、後期高齢者医療制度に加入している方などのいずれにも該当しない方は、国民健康保険の被保険者となると案内しています。

ここで見落とされがちなのが、会社を辞めた直後の健康保険は「国保しかない」わけではないということです。全国健康保険協会(協会けんぽ)は、退職後の健康保険には「協会けんぽの任意継続」「国民健康保険」「ご家族の健康保険(被扶養者)」の3つの選択があるとし、毎月納める保険料などを比較のうえ選ぶよう案内しています。詳しくは後述します。

年金も同じです。新宿区の案内では、会社などを退職して厚生年金等の加入者でなくなったとき、退職の翌日から第1号被保険者になりますと書かれています。「手続きをしたら第1号になる」のではなく、資格はもう発生していて、届出が追いついていないだけ、という順番です。ここを勘違いしていると、あとからまとめて請求が来て慌てることになります。

開業届の期限が2026年から変わりました

ネットで「開業届 期限」と検索すると、いまも「開業から1か月以内」と書かれた記事が大量に出てきます。ところが、これから開業する人にとっては、その説明はもう当てはまりません。

現在の期限は「その年分の確定申告期限まで」

国税庁の手続案内「A1-5 個人事業の開業届出・廃業届出等手続」では、提出時期について「事業の開始等の事実があった日の属する年分の確定申告期限までに提出してください」と案内されています。所得税法第229条(開業等の届出)の条文も、「その事実があつた日の属する年分の所得税に係る確定申告期限までに、税務署長に提出しなければならない」となっています。

そして、この規定の適用範囲は法律の附則にはっきり書かれています。令和8年1月1日以後に生じた事実について新しい規定が適用され、同日前に生じた事実については従前の例による、という内容です。

▶ つまり、2026年に配達を始めた人は
2026年6月に配達を始めたなら、開業届の期限は2027年3月の確定申告期限まで。始めてすぐに走り回って提出する必要はなくなりました。一方、2025年以前に始めた分については従前の取扱いになるので、まだ出していない方は税務署に確認してください。

ただし青色申告の申請は別。ここが落とし穴

開業届が緩くなったからといって、全部を確定申告期限まで放置していいわけではありません。青色申告の承認申請だけは期限が別で、しかも早いのです。

国税庁の「A1-8 所得税の青色申告承認申請手続」によれば、提出時期は青色申告書による申告をしようとする年の3月15日まで。ただしその年の1月16日以後に新たに事業を開始した場合は、事業開始等の日から2月以内とされています。

青色申告には、国税庁のタックスアンサーNo.2072にあるとおり、所得金額から55万円(一定の要件を満たす場合は65万円)または10万円を控除する青色申告特別控除があります。55万円の要件は、事業所得等を生ずべき事業を営み、正規の簿記の原則(一般的には複式簿記)で記帳し、貸借対照表、損益計算書および所得の金額の計算に関する明細書を確定申告書に添付して、その年の確定申告期限までに提出すること。65万円にするにはさらに、仕訳帳と総勘定元帳について優良な電子帳簿の要件を満たして電子保存し、一定の事項を記載した届出書を提出するか、期限内にe-Taxで提出することが求められます。実務的には、後者のe-Taxのほうがはるかに手軽です。

先ほどの例をそのまま当てはめてみます。2026年6月に配達を始めた人は、開業届の期限こそ2027年3月ですが、青色申告の承認申請は2026年8月中ということになります。この差はかなり効きます。開業届はあとでいい。急ぐのは青色のほう——順番を逆に覚えておくくらいでちょうどいいと思います。経費として何を計上できるかは配達の確定申告で経費にできるもの一覧にまとめてあります。

国民健康保険と国民年金の手続き

国民健康保険は「14日以内」

厚生労働省は、国民健康保険の被保険者となったときや脱退するときなどは、14日以内に、お住まいの市町村の国民健康保険の窓口まで関係書類を提出する必要があるとしています。新宿区の案内も「届出は、以下の事実が発生してから14日以内に」と同じです。

注意したいのは、国保の保険料は市区町村ごとに計算方法が違うという点です。厚生労働省も、提出が必要な書類や申請方法はお住まいの都道府県・市町村のホームページ等で確認するよう案内しています。「配達員の国保はいくら」という一律の答えはないので、金額は必ずご自身の自治体の窓口かサイトで確認してください。

退職して始めた人は「任意継続20日以内」に注意

会社を辞めて配達を始めた方は、国保に入る前にもうひとつ選択肢があります。協会けんぽの任意継続です。加入条件は退職日までに被保険者期間が継続して2か月以上あること、そして退職日の翌日から20日以内に手続することとされています。被保険者期間は2年間です。

保険料については、協会けんぽは「退職前に控除されていた保険料を2倍した額になります。ただし、保険料の上限があります」としています。会社が半分負担していた分を自分で払うためです。前年に会社員としてそれなりの給与があった方は、国保のほうが高くつくこともあれば、その逆もあります。どちらが安いかは人によって違うので、必ず両方の金額を出して比べてください。

ここで大事なのは金額よりも期限です。国保の届出が14日以内なのに対し、任意継続は「退職日の翌日から20日以内」。しかも新宿区の案内には「会社等の健康保険の資格がある間は、国民健康保険の加入の届出はできません」とあります。配達に慣れてから考えよう、と後回しにすると、比較する権利そのものがなくなります。 辞めた直後の20日間だけは、意識して確保しておいてください。

国民年金は月額17,920円(令和8年度)

日本年金機構によると、国民年金保険料の金額は1カ月あたり17,920円(令和8年度=令和8年4月〜令和9年3月)です。保険料は毎年度見直されます。

▶ 納付期限
法令で「納付対象月の翌月末日」と定められています。月末が土日祝や年末年始に当たるときは、翌月最初の金融機関等の営業日が納付期限になります。

▶ まとめて払うと割引
前納(まとめて前払い)すると割引が適用されます。売上の波が大きい配達の仕事では、稼げた月に前納しておくという使い方もできます。

▶ 付加保険料という制度もある
17,920円のほかに月額400円の付加保険料を納付することで、将来の老齢基礎年金の額を増額できる制度があります。厚生年金がない第1号被保険者だからこそ、知っておいて損はありません。

払えないときは「未納」ではなく「申請」を

ここは、配達という仕事の性質上いちばん大事なところなので、少し丁寧に書きます。

日本年金機構は、保険料を未納のままにしておくと「病気やけがで障害や死亡といった不測の事態が発生したとき、障害基礎年金・遺族基礎年金を受け取ることができない場合があります」と明記しています。老後の話ではありません。今日けがをしたときの話です。毎日バイクで街を走る配達員にとって、これは他人事ではないはずです。

逆に、免除・納付猶予を受けた期間中については、日本年金機構は「病気やけがで障害や死亡といった不測の事態が発生し、一定の要件に該当する場合は、障害基礎年金や遺族基礎年金を受け取ることができます」としています。払えないこと自体より、申請しないまま放置することのほうがリスクが大きい——これが制度の作りです。

▶ 保険料免除制度
本人・配偶者・世帯主の前年所得が一定額以下の場合や失業した場合などに、申請書を提出して承認されると保険料の納付が免除されます。免除される額は全額・4分の3・半額・4分の1の4種類です。

▶ 会社を辞めて始めた人へ。「失業等による特例免除」があります
ここは絶対に読み飛ばさないでください。通常の審査は前年所得で行われるため、会社員時代の給与が前年所得になっている人は、まず基準を超えて落ちます。しかし日本年金機構には、失業・倒産・事業の廃止などの事実を確認できたときは、失業等した方の前年所得にかかわらず、免除・納付猶予を受けられる特例があります。必要なのは、勤務先から交付される「雇用保険被保険者離職票」のコピーや、ハローワークから交付される「雇用保険受給資格者証」「雇用保険受給資格通知」のコピーなどです。離職票が手元にあるうちに動いてください。

▶ 一部免除は「残りを払う」までがセット
ここも誤解が多いところです。日本年金機構の注記には「一部免除の承認を受けている期間は、減額された保険料を納付している必要があります」とあります。令和8年度の減額後の額は、4分の3免除で4,480円、半額免除で8,960円、4分の1免除で13,440円「半額免除が通ったからもう払わなくていい」と思って放置すると、その期間はまるごと未納扱いになります。

▶ 納付猶予は「免除」ではなく「先送り」
納付猶予は20歳以上50歳未満の方で、本人・配偶者の前年所得が一定額以下の場合に申請できます。ただし免除とは中身が違います。日本年金機構によれば、納付猶予の期間は受給資格期間にはカウントされますが、年金額には反映されません。全額免除なら保険料を全額納付した場合の年金額の2分の1が反映されるのに対し、猶予はゼロです。追納しない限り、将来受け取る額はその分減ります。

▶ 申請できる期間と追納
申請できるのは保険料の納付期限から2年を経過していない期間です。また、免除・納付猶予の承認を受けた期間の保険料は、10年以内であれば申し出により後から納付(追納)して、老齢基礎年金の受給額を満額に近づけることができます。稼げるようになってから追納する、という設計が可能だということです。

事故そのものへの備えについては、配達原付の任意保険とは|自賠責との違いとウバレンの補償もあわせてご覧ください。ウバレンのレンタル車両は任意保険付きでお貸ししています。

インボイス登録は必須ではありません

最後にインボイス(適格請求書)です。「配達員も登録しないといけないの?」という質問をよくいただきますが、登録は義務ではなく任意です。

国税庁のタックスアンサーNo.6501によると、その課税期間の基準期間(個人事業者の場合はその年の前々年)における課税売上高が1,000万円以下である場合には、原則として消費税の納税義務が免除されます。多くの配達員はここに当てはまります。

ただし、同じページには例外がいくつも並んでいます。配達員に関係が深いのは次の2つです。

▶ インボイス登録をすると免税ではなくなる
基準期間における課税売上高が1,000万円以下であっても、適格請求書発行事業者の登録を受けている場合には、納税義務は免除されません。つまり登録した時点で、免税事業者ではなくなるということです。

▶ 「特定期間」でも判定される
特定期間における課税売上高が1,000万円を超える場合も、基準期間が1,000万円以下であっても免除されません。個人事業者の特定期間とはその年の前年の1月1日から6月30日までの期間です。前々年だけを見て安心しないでください。

登録済みの方へ|2割特例は令和8年9月末で終わります

すでに登録している方には、今年動く話があります。国税庁が公表した「インボイス制度に関する令和8年度税制改正について」(令和8年4月)によれば、現行の2割特例は、令和8年9月30日までの日の属する課税期間で終了します

代わりに3割特例が創設されました。個人事業者である適格請求書発行事業者の令和9年分および令和10年分の消費税申告について、納付税額を課税標準額に対する消費税額の3割とすることができる、という内容です。適用を受けようとする場合には、確定申告書にその旨を付記する必要があるとされています。

登録すべきかどうかは、取引先である配達アプリ各社の対応や、ご自身の売上の状況によって変わります。各社の公式案内と、税務署または税理士への確認をおすすめします。この記事は2026年8月時点で公表されている情報にもとづく一般的な説明であり、個別の判断を保証するものではありません。税制も保険料も毎年見直されるため、実際に手続きされる際は国税庁・日本年金機構・お住まいの市区町村の最新の案内をご確認ください。確定申告そのものの流れはデリバリー配達の確定申告|経費と節税のポイントで解説しています。

手続きに悩む時間を、走る時間に

開業届・国保・年金・インボイス。並べると面倒に見えますが、期限さえ押さえてしまえば、あとは淡々と処理するだけの作業です。むしろ配達員にとって収入を左右するのは、どの車両で、どれだけ止まらずに走れるかのほうです。

ウバレンは新宿駅東南口から徒歩30秒、デリバリー配達専門のレンタル原付店です。任意保険付き・消耗品当社負担・初期費用の後払いにも対応しているので、開業したてで手元の資金を残しておきたい方にも使っていただけます。車種と料金は料金表をご覧ください。

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