
ナビの案内どおりに走っていたら、目の前が高速道路の入口だった。原付で配達していると、これは他人事ではありません。首都高速道路では、歩行者や自転車なども含めて2025年度に489件の立ち入りがあったと公表されています。しかも原付が入れない道は高速道路だけではなく、標識で二輪だけが止められている区間や、50ccは走れて125ccは走れない通行帯もあります。今回は新宿駅前のレンタルバイク専門ウバレンが、入ってはいけない道を条文と標識から見分ける方法を整理します。
高速道路と自動車専用道路は、50ccも125ccも入れない
まず、車両の区分にかかわらず入れない道からです。道路法第48条の11第1項は「何人もみだりに自動車専用道路に立ち入り、又は自動車専用道路を自動車による以外の方法により通行してはならない。」と定めています。高速自動車国道法第17条第1項も、高速自動車国道について同じ書き方をしています。ポイントは「自動車による以外の方法」という言葉で、ここでいう自動車に原付が入らないため、原付では通れないということになります。
125ccでも入れないのは「自動車」の定義が法律ごとに違うから
ここで引っかかるのが125ccです。125ccの原付二種には、一般原付のように一般道のどこでも30km/hまでという法定速度も、二段階右折もありません。道路交通法の上では普通自動二輪車、つまり自動車の仲間として走っています(2026年9月1日から、中央線や車両通行帯のない生活道路では、125ccを含む自動車も法定速度が30km/hです)。それなのに、なぜ高速道路には入れないのでしょうか。
答えは、道路法と高速自動車国道法が、自動車の意味を自分では決めていないところにあります。道路法第2条第3項は、自動車を「道路運送車両法第二条第二項に規定する自動車をいう。」としており、高速自動車国道法第2条第4項も同じく道路運送車両法第2条第2項の自動車を指すと定めています。そして道路運送車両法第2条第2項は、自動車を、原動機で陸上を移動する用具のうち「原動機付自転車以外のもの」と定義し、同法施行規則第1条第1項第1号は、二輪で総排気量0.125リットル以下のものを原動機付自転車の範囲に入れています。
つまり、125ccのスクーターは道路交通法では自動車扱いでも、道路法と高速自動車国道法の世界では原付のままです。一般道で有利な125ccも、高速道路と自動車専用道路については50ccと同じ側にいると覚えておいてください。一般道での50ccとの違いは原付配達の交通違反リスクと守るべき道交法ポイントで整理しています。
屋根付きのジャイロキャノピー(ミニカー仕様)も同じです。ウバレンの料金表でも普通自動車免許で乗る車両として案内していますが、道路運送車両法の上では、二輪以外で総排気量0.050リットル以下の原動機付自転車にあたります。高速道路と自動車専用道路には入れません。
国家公安委員会の「交通の方法に関する教則」(警察庁ウェブサイトに掲載)も、高速自動車国道と自動車専用道路をまとめて高速道路と呼んだうえで、ミニカー・小型二輪車・一般原動機付自転車は高速道路を通行できないと明記しています。ウバレンで扱う3つの区分は、ここですべて同じ扱いになります。
道路法・高速自動車国道法の上では、違反している人に対して道路管理者(高速自動車国道は国土交通大臣)が行為の中止などを命じることができ、その命令に従わなければ50万円以下の罰金です(道路法第48条の12・第105条、高速自動車国道法第18条・第30条)。ただ、罰則の前に、流れの速さがまったく違う道に原付で入ること自体が危険です。首都高速道路株式会社も、原付などの進入について「過去には死亡事故も発生しており大変危険です。」と注意を呼びかけています。
自動車専用道路は、料金所のある道だけとは限らない
自動車専用道路と聞くと有料の高速道路を思い浮かべますが、道路法第48条の2は、高速自動車国道以外の道路についても、道路管理者が自動車のみの通行に供する道路を指定できると定めています。同条第2項では、道路の一部分を区域を定めて指定することもできます。一般道の続きのように見える高架や地下の区間が、自動車専用になっていることもあるわけです。
その目印になるのが標識です。道路法第48条の11第2項は、道路管理者に、自動車専用道路の入口などへ通行の禁止や制限の対象を明らかにした道路標識を設けるよう義務づけています。道路標識の命令(道路標識、区画線及び道路標示に関する命令)では、この「自動車専用」の標識の意味を「高速自動車国道又は自動車専用道路であること。」としています。先ほどの教則の付表によると、色は青地に白の記号です。この標識が見えたら、その先には原付で入れません。
ナビの案内のまま入ってしまうケースが多い
首都高速道路株式会社のページには、配達員にとって見過ごせない数字が載っています。「自転車や原付利用者の首都高への立入者のうち約6割(2025年度)がナビアプリを使用して首都高速道路に立入っており、特にナビアプリの自動車モード等をご利用されているケースが目立っています。」
配達はアプリの地図とナビで動く仕事なので、ここはそのまま自分の話です。同社はあわせて「ナビアプリご利用の際は適切な設定を行い、画面ばかりに集中せず、道路標識等の案内を確認し、十分ご注意ください。」と呼びかけています。
▶ 走り出す前にナビの設定を見る
ナビアプリの移動手段が自動車のままになっていないか、経路のオプションに「高速道路を使わない」「有料道路を使わない」といった設定があれば選んでいるかを、稼働前に確かめておきます。阪神高速道路株式会社も、原付でナビアプリを使うときは「高速道路及び有料道路を利用しない設定」にするよう呼びかけています。ただし、設定をしても原付が通れない道がすべて除かれるとは限りません。最後に頼るのは画面ではなく、現地の標識です。
▶ 高架に上がる・地下に下りる分岐の手前は減速
先に見たとおり、一般道の続きのように見える区間が自動車専用になっていることがあります。分岐の手前で標識を読む余裕がないと、流れに乗ったまま入ってしまいます。首都高については、出入口で看板や横断幕を使って出入口であることを強調してお知らせしていると同社が説明しています。こうした表示が見えたら、入らない側へ進路を取ります。
走行中に画面を見続けること自体が違反になる点は、先ほどの交通違反リスクの記事でも触れました。スマホは見やすい位置に固定し、確認は止まっているときにするのが基本です。
標識で「二輪だけ」が止められている道
一般道にも、原付が入ってはいけない場所があります。道路交通法第8条第1項は「歩行者等又は車両等は、道路標識等によりその通行を禁止されている道路又はその部分を通行してはならない。」と定めており、禁止の中身は標識ごとに決まっています。教則が挙げる「車両通行止め」や「歩行者等専用」などの標識は、原則としてウバレンで扱う3つの区分すべてが対象です。ここからは、区分によって扱いが分かれる標識を見ていきます。
「二輪の自動車・一般原動機付自転車通行止め」
バイクの絵柄が入った通行止めの標識で、道路標識の命令では、二輪の自動車と一般原動機付自転車の通行を禁止する標識と定めています。50ccの一般原付も、125ccの普通自動二輪車も対象です。車は通れるのに二輪だけが入れないので、自動車の流れにつられて入ってしまいやすい標識です。
一方、ミニカー仕様のジャイロキャノピーは道路交通法上は普通自動車の扱いで、二輪でも一般原付でもありません。代わりに注意したいのが「二輪の自動車以外の自動車通行止め」の標識で、こちらはミニカーが対象になり、50ccと125ccは対象外です。見た目はスクーターに近い屋根付きの三輪でも、読むべき標識はスクーターと入れ替わります。
補助標識の略称で、対象が変わる
本標識の下に付く小さな板が補助標識です。教則は、補助標識について「規制の理由を示したり、規制が適用される時間、曜日、自動車の種類などを特定しています。」と説明しています。車両の種類は略称で書かれることがあり、道路標識の命令と教則に略称の一覧があります。原付に関係するのは主に次の4つです。
▶ 原付=一般原動機付自転車(50cc)
▶ 自二輪=大型自動二輪車と普通自動二輪車(125ccはこちら)
▶ 小二輪=小型二輪車(125cc以下の普通自動二輪車)と一般原動機付自転車
▶ 二輪=二輪の自動車と一般原動機付自転車
見落としやすいのは、「原付」の2文字に125ccは入らず、「自二輪」に50ccは入らないという点です。ミニカーはどれにも入らず、普通自動車の「普通」や、小さな普通自動車を指す「軽」(長さ3.40メートル以下・幅1.48メートル以下・高さ2.0メートル以下など)といった自動車側の略称で読みます。もうひとつ、略称の「自転車」は普通自転車のことです。一方通行などの下に「自転車を除く」とあっても、ウバレンの3つの区分はどれも除かれません。借りている車両がどの略称に当てはまるかを先に覚えておくと、補助標識を一瞬で読めるようになります。なお、125ccでも最高出力4.0キロワット以下の新基準原付は、道路交通法上は一般原付として扱われます。
時間帯によって入れなくなる道
補助標識に時間や曜日が書かれていれば、その時間帯だけの規制です。昼は通れた道が夜は通れない、平日は通れた道が休日は歩行者用になる、ということが起こります。都心の例は銀座・築地・日本橋エリア配達ガイドの歩行者天国や、高田馬場・早稲田・神楽坂の配達ガイドの神楽坂通りで具体的に取り上げています。
50ccと125ccで分かれる「通行帯」
バスなどの専用通行帯は、50ccは走れて125ccは走れない
ここが、車両の区分で扱いがいちばん大きく分かれるところです。教則は、路線バスなどの専用通行帯が指定されている道路について「小型特殊自動車、原動機付自転車、軽車両を除くほかの車は、その車両通行帯を通行してはいけません。」と書いています。道路標識の命令の専用通行帯の意味にも、同じ3種類を除く書き方が入っています。
ここでいう原動機付自転車は道路交通法の区分なので、50ccの一般原付は専用通行帯を走れます。道路交通法第20条第1項は車両に左端から数えて1番目の通行帯を走るよう定めているので、50ccにとっては、左端のバス専用通行帯がふだん走る通行帯そのものになることが多いはずです。
反対に、125ccとミニカーは道路交通法上の自動車なので、専用通行帯は原則として走れません。教則も「右左折をするため道路の右端、中央や左端に寄る場合など」は別としていますが、それ以外は専用通行帯以外の通行帯を走ります。50ccから125ccに乗り換えたときは、それまでの感覚で左端を走り続けないよう気をつけたいところです。補助標識に時間帯が書かれていれば、規制はその時間だけです。
なお、専用ではなく「路線バス等優先通行帯」の場合は、道路交通法第20条の2で、自動車は、混雑していて路線バスなどが後ろから近づいてきても出られなくなるときはその通行帯を通ってはならず、通っている途中で路線バスなどが後ろから近づいてきたら速やかに外に出なければならないとされています。こちらも対象は自動車なので、125ccとミニカーにかかる決まりです。
自転車の専用通行帯は、50ccも入れない
逆に、左に寄って走る50ccほど気をつけたいのが、普通自転車専用通行帯です。教則は、普通自転車の専用通行帯が指定されている道路では「特定小型原動機付自転車、軽車両を除くほかの車は、その車両通行帯を通行してはいけません。」としています。除かれているのは電動キックボードのような特定小型原付と自転車などの軽車両で、50ccの一般原付は除かれていません。バスの通行帯では「原付OK」だったのに、自転車の通行帯では入れない。この逆転を覚えておくと迷いません。
車両ごとの早見表
ここまでの内容を、ウバレンで扱っている3つの区分で並べると次のようになります。
| 50cc (一般原付) |
125cc (原付二種) |
ジャイロキャノピー (ミニカー仕様) |
|
|---|---|---|---|
| 道路交通法上の区分 | 一般原動機付自転車 | 普通自動二輪車(小型二輪車) | 普通自動車 |
| 高速道路・自動車専用道路 | 入れない | 入れない | 入れない |
| 「二輪の自動車・一般原動機付自転車通行止め」 | 通れない | 通れない | 対象外(「二輪の自動車以外の自動車通行止め」が対象) |
| 補助標識の略称 | 原付・小二輪・二輪 | 自二輪・小二輪・二輪 | 普通・軽など自動車側(原付・二輪には入らない) |
| バスなどの専用通行帯 | 走れる | 原則走れない | 原則走れない |
| 普通自転車専用通行帯 | 原則走れない | 原則走れない | 原則走れない |
※屋根付きのベンリー110も原付二種なので、125ccの列で読みます。前が二輪の三輪スクーター、トリシティ125もお取扱い車両のページでは原付二種に分けており、高速道路と自動車専用道路には入れません。125ccでも最高出力4.0キロワット以下の新基準原付は、道路交通法上は50ccの列で読みます。高速道路と自動車専用道路に入れない点はどの列も同じです。「原則」としたところは、右左折のために端へ寄る場合などの例外があります。
入ってしまったと気づいたら
首都高速道路株式会社によると、首都高の一部の出入口には「立入、逆走検知・警告システム」があり、誤って入った歩行者・自転車・原付などに音声と警告表示板で退出を促しています。警告が出たら、それは自分に向けたものです。
▶ 本線を逆向きに走らない
焦って本線を逆向きに走れば、入ったこと以上に危険です。車の流れに逆らって戻ろうとしないでください。
▶ 安全な場所に止まって、道路の窓口に連絡する
阪神高速道路株式会社は、誤って入ってしまった場合について「まずご自身が安全な場所へ移動・停車し、」道路緊急ダイヤルへ電話するよう案内しています。首都高速道路株式会社も、立ち入りを見かけた人に向けて、道路緊急ダイヤルのほか、高速道路上では近くの非常電話、一般道路では警察への通報を呼びかけています。道路の管理者につながれば、その場でどう動けばよいかの指示を受けられます。
配達の途中なら、注文のことが気になるのは当然です。ただ、その場でアプリを操作するより、まず安全を確保することを優先してください。
乗る車両の区分を知ってから走り出す
同じ「原付」と呼ばれる車両でも、どの法律のどの言葉に当てはまるかで、通れる道と通れない通行帯が変わります。50ccなのか、125ccの原付二種なのか、ミニカー仕様なのか。借りる前にそこを確かめておけば、標識と補助標識の読み方で迷う場面はぐっと減ります。車種ごとの違いで分からないことがあれば、契約前に聞いておくのが確実です。
新宿でデリバリー用の原付を借りるなら
ウバレンは、JR新宿駅東南口から徒歩30秒のデリバリー配達専門レンタル原付バイク店です。全車にスマホホルダーとリアキャリアを備え、任意保険付き・消耗品は当社負担でお渡ししています。初期費用の後払いにも対応しています。
料金は50ccが月29,000円(税込)から、125ccが月30,000円(税込)から、屋根付きのジャイロキャノピー50cc(ミニカー仕様)が月38,000円(税込)です。ジャイロキャノピー(ミニカー仕様)は普通自動車免許(AT限定可)でご利用いただけます。別途、初回手続時に事務手数料3,300円をいただきます。車種のラインアップはお取扱い車両のページを、月額の詳細は料金表のページをご覧ください。屋根付き三輪での配達についてはジャイロキャノピーでデリバリー配達でも紹介しています。
完全予約制です。空き状況の確認・お見積り・ご予約はLINEから、または予約フォームからお願いします。お問い合わせはLINEのみで承っており、お電話でのお問い合わせは受け付けておりません。ご理解のほどお願いいたします。
※本記事の出典は、道路法(昭和27年法律第180号)第2条・第48条の2・第48条の11・第48条の12・第105条、高速自動車国道法(昭和32年法律第79号)第2条・第17条・第18条・第30条、道路運送車両法(昭和26年法律第185号)第2条、道路運送車両法施行規則第1条、道路交通法(昭和35年法律第105号)第2条・第3条・第8条・第18条・第20条・第20条の2・第34条・第71条、道路交通法施行令(昭和35年政令第270号)第11条、道路交通法施行規則第1条の2・第2条・第24条、道路標識、区画線及び道路標示に関する命令の別表第一・別表第二の条文(e-Gov法令検索・道路法、同・道路交通法、同・道路標識、区画線及び道路標示に関する命令)、警察庁ウェブサイト「交通の方法に関する教則」(PDF)、首都高速道路株式会社のウェブサイト「首都高速道路への歩行者や自転車等の進入禁止」、および阪神高速道路株式会社のドライバーズサイト「誤進入~ナビアプリの設定にご注意ください~」です(2026年9月13日確認)。本記事では、これらの内容を要約・編集して紹介しています。規制の内容は場所や時間によって異なり、変更されることもありますので、実際に走る際は現地の標識・標示に従ってください。