
止まっている車をよけるとき、次の交差点で右に曲がるとき、追い越しをするとき。配達で幹線道路を走っていると、車線を変える場面は1日に何度もあります。車線変更とは、同じ方向に進みながら走る位置を左右の車線に移すことで、道路交通法の言葉では「同一方向に進行しながら進路を変える」ことにあたります。慣れた動きほど確認が雑になりがちですが、二輪車の動きは四輪車から見えないことがある、と国家公安委員会の「交通の方法に関する教則」も書いています。今回は新宿駅前のレンタルバイク専門ウバレンが、原付で車線を変えるときの後方確認と合図の順番を、道路交通法と施行令の条文、教則をもとに整理します(2026年10月時点)。
車線変更の順番は「ミラー→合図→目視→移る」
結論からいうと、車線を変えるときは、ミラーで後ろを確かめてから合図を出し、移る直前にもう一度ミラーと目視で確かめてから、ゆっくり移ります。
教則は、進路変更などをしようとするときは「あらかじめバックミラーなどで安全を確かめてから合図をしなければなりません」としています。合図を出す時期は道路交通法施行令第21条が決めていて、同じ方向に進みながら進路を左右に変えるときは「その行為をしようとする時の三秒前のとき」です。さらに教則は、やむを得ず進路を変更するときは「バックミラーや目視で安全を確認してから変更しましよう」と書いています。教則の追越しの手順も、右斜め後方の安全をバックミラーなどで確かめる、右の方向指示器を出す、約3秒後に進路を緩やかに右にとる、という順番です。
ウバレンでは、これをつなげて次の5つの手順として覚えることをおすすめしています(手順の並べ方は当店の整理です)。
- ミラーで、移りたい側の車線と後ろの車の動きを確かめる
- 方向指示器で合図を出す(移る約3秒前)
- 移る直前に、ミラーと目視でもう一度確かめる
- 急に速度を変えずに、緩やかに移る
- 移り終えたら、合図を止める
5番目は忘れやすいところです。道路交通法第53条は、合図は行為が終わるまで続け、終わったらやめなければならないと定めています。合図を出したまま走り続けると、後ろの車には「まだ曲がる・まだ移る」と読まれてしまいます。
ミラーは走り出す前に合わせておく
教則は二輪車の点検項目の一つに「バックミラーは、よく調整されているか」を挙げています。走りながらミラーの角度を直すことはできないので、乗る前に、自分の体格で後ろの車線が見える向きに合わせておきます。レンタル車両は前に乗っていた人の向きのままのこともあります。ミラーがゆるんで向きが保てない、割れている、といったときは走り出さずに、当店までLINEでご連絡ください。ハンドルまわりに荷物を掛けてミラーをふさぐのも禁物です。ミラーまわりの装備のルールは原付のカスタム・装備|配達で違反になる後付けと積載制限にまとめています。
目視は「ミラーに映らない斜め後ろ」を見るため
教則の進路変更の項には、ミラーに加えて目視を挙げる理由までは書かれていませんが、ウバレンとしては、ミラーに映る範囲には限りがあるので、移りたい側の斜め後ろを顔を向けて直接見ることをおすすめしています。見るのは一瞬で十分です。長く後ろを向くと、その間に前の車が止まることがあります。前方を確かめてから、斜め後ろを短く見て、すぐ前に視線を戻してください。
合図を出しても、移ってよいとは限らない
合図は「これから移ります」と知らせるもので、後ろの車に道を空けてもらう権利ではありません。道路交通法第26条の2は、第1項で「車両は、みだりにその進路を変更してはならない」とし、第2項で、進路を変えると後方から来る車両等の速度や方向を急に変えさせることとなるおそれがあるときは、進路を変更してはならないと定めています。教則も、後から来る車が急ブレーキや急ハンドルで避けなければならないような場合には、進路を変えてはいけないとしています。
▶ 後ろの車が近いときは、移らずに待つ
合図を出したあとで、後ろの車が近づいてきた、速度を上げてきた、と分かったら、無理に移らずにその車を先に行かせます。そのまま移るのをやめるなら、合図も止めてください。道路交通法第53条第4項は、合図に係る行為をしないのに合図をしてはならないとしています。
▶ 何度も車線を行き来しない
教則は、車両通行帯をみだりに変えて通行すると後続車の迷惑となり、事故の原因ともなるとして、同じ車両通行帯を通行するよう求めています。二輪車の章でも、車の間を縫って走ったり、ジグザグ運転や無理な割込みをしたりしてはいけないとしています。少しでも早く着きたくて車線を行き来するのは、配達ではいちばん避けたい動きです。
黄色の線は越えない
車線の境目が黄色の線で引かれているところは、その線を越えて進路を変えることが禁止されています。道路交通法第26条の2第3項は、車線が進路の変更の禁止を表示する道路標示で区切られているときは、その標示を越えて進路を変えてはならないと定めています(教則は、この標示を黄の線と説明しています)。例外は、緊急自動車に進路を譲るために道路の左側や右側に寄るときや、「道路の損壊、道路工事その他の障害のため」通行している車線を通れないときなどに限られます。教則は、白の線で区切られていても、自分が通っている車線の側に黄の線が平行して引かれているときは同じだと説明しています。
配達で起きやすいのは、曲がる交差点に直前で気づいて、黄色の線をまたいで右の車線へ移ろうとする場面です。曲がりそびれたら、その先の交差点で曲がってルートを組み直してください。そもそも直前で気づくことが少なくなるよう、ナビは安全な場所に止めてから、先の道順まで確かめておきます。道路交通法第71条第5号の5は、停止しているときを除き、取り付けたり持ち込んだりしたスマートフォンなどの画像表示用装置に表示された画像を注視することを禁じています。交通ルールの全体は原付配達の交通違反リスクと守るべき道交法ポイントでも紹介しています。
50ccと125ccでは、走れる車線が違う
車線変更の前に知っておきたいのが、そもそも自分がどの車線を走れるかです。道路交通法第20条第1項は、車両通行帯のある道路では、車両は道路の左側端から数えて一番目の車両通行帯を通行しなければならないとしています。そのうえで、自動車は、左側部分に車両通行帯が三つ以上あるときは、速度に応じて、最も右側の車両通行帯以外の車両通行帯を通行することができる、としています。
50ccなどの一般原動機付自転車(125cc以下で最高出力4.0キロワット以下の新基準原付を含みます)は、道路交通法上の「自動車」ではないため、この例外は使えません。一方、125ccのいわゆる原付二種は道路交通法上は普通自動二輪車で、自動車に含まれます。同じ方向の車線が二つの道路では、どちらも左側の車線が基本です。
| 場面 | 50cc(一般原付) | 125cc(原付二種=普通自動二輪車) |
|---|---|---|
| 同じ方向に車線が2つ | 左側の車線 | 左側の車線 |
| 同じ方向に車線が3つ以上 | いちばん左の車線 | いちばん右以外の車線(速度の遅い車ほど左) |
| 追越しのとき | いま走っている車線のすぐ右の車線を使う(第20条第3項) | |
※標識や標示で通行区分が指定されているときは、それに従います(第20条第2項)。屋根付きのジャイロキャノピー(ミニカー仕様)は、道路交通法上は原付ではなく普通自動車の扱いで(運転には普通自動車免許が要ります)、この表の50ccの欄は当てはまりません。車線は「自動車」の決まりに従い、二段階右折もしません。
追越しのほか、右左折のために道路の左端や中央に寄るとき、道路の状況などでやむを得ないときなどは、この区分によらないことができます(第20条第3項)。つまり、50ccで車線を変えるのは、主に追越し、止まっている車などをよけるとき、小回りの右折で中央に寄るときの場面だと考えておくと分かりやすいでしょう。
右折のための車線変更は「十分手前から徐々に」
右折のために右の車線へ移るときは、特に注意が必要です。教則は125ccなどの右折について、幅の広い道路で右折しようとするときは「十分手前のところから徐々に右折の車線に移るようにしましよう」とし、急に左側の車線から右側の車線に移動すると極めて危険だとしています。50ccで小回りの右折をする交差点でも同じ注意が書かれています。
一方、50ccは、二段階右折の標識がある道路や、車両通行帯(右左折のための車線も数えます)が三つ以上ある道路の、信号機などで交通整理が行われている交差点では、二段階右折になります(小回りの標識がある道路を除きます)。このときは右の車線へ移らず、あらかじめできるだけ道路の左端に寄ってから進みます。二段階右折で待つときの注意はトラックの横は危ない|大型車の死角・内輪差と原付の位置取りに、50ccと125ccで違う標識の読み方は原付が入れない道の見分け方|標識と50cc・125ccの違いにまとめています。
止まっている車をよけるときも同じ手順で
配達でいちばん多い車線変更は、路肩に止まっている車やトラックをよけるときかもしれません。止まっている車の横は、急にドアが開いたり、車の間から人が出てきたりすることがある、と教則も注意しています。右へ出る前に、上の5つの手順をそのまま使います。後ろから車が来ていて出られないときは、止まっている車の手前で速度を落として待ちます。
西日が強い時間帯は、方向指示器が後ろから見えにくくなることがあります。教則は、夕日の反射などで方向指示器が見えにくい場合には、方向指示器の操作と併せて手による合図をするようにとしています。手による合図の方法は施行令第21条に定められていて、右へ移るときは右腕を車体の右側の外に出して水平に伸ばす形などです。ウバレンとしては、ハンドルから手を離すとふらつきそうなときは無理に移らず、後ろの車を先に行かせて、見通しのよいところで移ることをおすすめします。
レンタル車両で接触してしまったら
車線変更のときの接触は、相手への賠償だけでなく、契約の面でも負担につながります。ウバレンの注意事項②では、補償の適用が受けられない場合として、道路交通法違反をした場合、事故現場から警察への届け出を怠った場合、相手側と無断で示談した場合、事故現場からウバレンへの連絡を怠った場合、「運転、操作ミスによる故障」などを挙げています。また、料金に含まれる任意保険は相手への賠償(対人・対物)のためのもので、料金表では搭乗者傷害は「補償なし」とされています。自分のけがは、この保険では補償されません。借りている車両の損害や盗難に備える保険も料金には含まれず、別途のオプションです。対物の免責やノンオペレーションチャージ(NOC)などの自己負担も料金表に書かれています。さらによくあるご質問では、事故を起こした時点でレンタル期間が残っていても契約は終了し、お支払いいただいた料金は返金しないとしています。
けが人がいるときはまず119番、警察への通報は110番です。そのうえで当店にLINEでご連絡ください。事故のあとの順番は配達中の事故対応と保険請求の流れ|原付デリバリーにまとめています。
確認の順番を決めておけば、急いでいても抜けない
ミラーで確かめる、合図を出す、3秒待つ、ミラーと目視でもう一度確かめる、緩やかに移る、合図を止める。どれも数秒でできることですが、急いでいるときほど1つ抜けやすくなります。順番を決めて毎回同じようにやっておくと、配達が立て込んだ日でも体が先に動くようになります。借りた車両のミラーの向きや方向指示器の調子が気になるときは、走り出す前にLINEでお尋ねください。
新宿でデリバリー用の原付を借りるなら
ウバレンは、JR新宿駅東南口から徒歩30秒のデリバリー配達専門レンタル原付バイク店です。全車にスマホホルダーとリアキャリアを備え、任意保険付きで、消耗品は当社負担です(長期レンタルでは、交換は当社指定の工場で行います)。初期費用の後払いにも対応しています(審査があり、当店の判断で初期費用が必要になる場合があります)。
料金は50ccが月29,000円(税込)から、125ccが月30,000円(税込)から、屋根付きのジャイロキャノピー50cc(ミニカー仕様)が月38,000円(税込)です。別途、初回手続時に事務手数料3,300円をいただきます。車種のラインアップはお取扱い車両のページを、月額や補償の詳細は料金表のページをご覧ください。
完全予約制です。空き状況の確認・お見積りはLINEから、ご予約はLINEまたは予約フォームからお願いします。お問い合わせはLINEのみで承っており、お電話でのお問い合わせは受け付けておりません。ご理解のほどお願いいたします。
※本記事の出典は、道路交通法(昭和35年法律第105号)第2条・第20条・第26条の2・第53条・第71条、道路交通法施行令(昭和35年政令第270号)第21条、道路交通法施行規則第1条の2の条文(e-Gov法令検索・道路交通法、同・道路交通法施行令)と、国家公安委員会告示「交通の方法に関する教則」(警察庁ウェブサイト掲載のPDF「交通の方法に関する教則」)です(いずれも2026年10月12日確認)。本記事では、これらの内容を要約・編集して紹介しています。実際に走る際は、現地の標識・標示と交通の状況に従ってください。