
会社勤めをしながら、休日や仕事帰りに配達をしている人は少なくありません。そこでよく聞くのが「副業の所得が20万円以下なら申告はいらない」という話です。半分は正しいのですが、これは所得税の確定申告についてのルールで、住民税の申告まで不要になるわけではありません。今回は新宿駅前のレンタルバイク専門ウバレンが、国税庁と新宿区の案内、所得税法・地方税法の条文をもとに、「20万円」の正しい読み方と住民税の申告を整理します(2026年9月時点)。
この記事は、勤務先から給与を受け取りながら、業務委託で配達をしている人を想定しています。お店や会社にアルバイトとして雇われて配達している場合は、その報酬自体が給与になるので、話の前提が変わります。
「20万円以下なら申告不要」は所得税の話
国税庁のタックスアンサー「No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人」は、確定申告が必要な給与所得者の一つとして、「給与を1か所から受けていて、かつ、その給与の全部が源泉徴収の対象となる場合において、各種の所得金額(給与所得、退職所得を除く。)の合計額が20万円を超える人」を挙げています。根拠は所得税法第121条第1項で、給与の金額が2,000万円以下であることも条件になっています。
配達の報酬がこの「各種の所得金額」に入るかについては、国税庁の「こんな収入の申告漏れにご注意」が、収入の例に「配達代行業」を挙げ、「原則、事業所得又は雑所得(業務)として確定申告が必要です。」としています。同じページは、年末調整を受けた給与以外の所得が20万円以下の人など、確定申告そのものが不要な場合もあると添えています。事業所得と雑所得のどちらに当たるかは働き方によって変わるため、この記事では決めつけません。
条件を1つでも外れると「20万円」は使えない
このルールには前提があります。次のような人には、そのまま当てはまりません。
▶ 給与を2か所以上から受けている人
No.1900では、年末調整されなかった給与の収入金額と、給与以外の所得の合計で判定する別の条件になっています。
▶ 給与を受けていない人(配達が本業の人、学生で給与が無い人など)
20万円のルールは給与所得者のためのものです。国税庁の「No.2020 確定申告」では、所得金額の合計が所得控除の合計を超え、税額が出る人などが確定申告の必要な人とされています。
▶ 給与の年間収入金額が2,000万円を超える人
副業の金額にかかわらず、確定申告が必要な人に入ります。
「20万円」は報酬の合計ではなく所得
もう一つの誤解が、20万円を「アプリから振り込まれた金額の合計」と読んでしまうことです。国税庁の「No.1500 雑所得」は、業務に係る雑所得を総収入金額から必要経費を引いた額として計算すると説明しています。
たとえば1年間の報酬が30万円でも、配達のために使ったレンタル料や燃料代などの必要経費を差し引いた所得が20万円以下なら、20万円以下の側に入ります。逆に、報酬が20万円以下に見えても、配達以外の副収入(フリマアプリでの転売など、給与所得と退職所得以外の所得)があれば合計して判定します。所得税法第121条第1項第1号は、利子・配当・不動産・事業・山林・譲渡・一時・雑の各所得の合計額で判定する書き方になっています。
ただし、国税庁は、生活に通常必要な動産の譲渡による所得は非課税で、確定申告に含める必要はないとしています(こんな収入の申告漏れにご注意)。国税庁の「No.1906 給与所得者がネットオークション等により副収入を得た場合」は、その例として古着や家財など、生活の用に供している資産の売却を挙げています。一方で「こんな収入の申告漏れにご注意」は、「転売」の収入を、原則として事業所得又は雑所得として確定申告が必要なものに挙げています。売った物が非課税に当たるか迷うときは、税務署に確認してください。
どこまでが必要経費になるかは配達の確定申告で経費にできるもの一覧|原付・装備・通信費で整理しています。
住民税の申告は20万円以下でも必要になる
住民税の申告は、地方税法第317条の2第1項に定めがあります。市町村に住所がある人は(同法第1条第2項により、東京23区では特別区に読み替えます)、3月15日までに、前年の所得などを書いた申告書を、1月1日時点の住所地の市町村長に出すのが原則です。
例外として申告しなくてよいのは、給与支払報告書を出す義務のある勤務先から1月1日時点で給与を受けていて、前年に給与所得以外の所得が無かった人などです。条文には「20万円以下なら不要」という線はありません。配達で少しでも所得があれば、給与だけの人という例外には当たらない、ということになります。
新宿区公式サイト「住民税について」も、申告が必要な方を「その年の1月1日現在、新宿区内に住所のある方で、前年の1月から12月までの間に所得のあった方」とし、申告が必要ない方として「税務署に所得税の確定申告をする方」「年末調整の終了している給与支払報告書が新宿区に提出されており、他に所得のない方」などを挙げています。
なお、所得割がかからないと認められる人のうち、区市町村の条例で定める人も申告の義務から外れます。所得が少ない場合の扱いは区市町村ごとに確かめてください。
確定申告をすれば住民税の申告は原則いらない
地方税法第317条の3第1項により、所得税の確定申告書を出すと、原則としてその日に住民税の申告書も出したものとみなされます。新宿区の案内で「税務署に所得税の確定申告をする方」が申告不要とされているのはこのためです。つまり、配達の所得がある会社員は、確定申告をしない年は住民税の申告を出す、というのが基本の考え方です(所得が少ない場合の例外は、上のとおり区市町村の案内で確認してください)。
確定申告をするなら20万円以下の所得も入れる
医療費控除などで税金を取り戻すために確定申告をする年は、注意が要ります。国税庁のタックスアンサー「確定申告を要しない場合の意義」は、20万円のルールについて「確定申告を行う場合にも、この20万円以下の所得を申告しなくてもよいという規定ではありません。」と書いています。医療費控除の還付申告をするときは、給与だけでなく20万円以下の所得も合わせて申告する必要がある、という説明です。「20万円以下だから書かなくていい」のは、確定申告を出さない場合に限られます。
申告に向けて今からやっておくこと
▶ 報酬と経費の記録を残す
報酬の明細は、月ごとに保存しておきます。レンタル料や燃料代の領収書も同じです。記録があれば、20万円を超えるかどうかも年の途中で見当がつきます。
▶ 申告先を確認する
確定申告は所轄の税務署、住民税の申告は翌年1月1日時点の住所地の区市町村です。新宿区の場合、令和8年度分(令和7年中の所得)は2月9日から3月16日まで(土・日・祝日を除く)受け付け、同じ年度分から住民税の申告をスマートフォンやパソコンでもできるようになったと案内されています(新宿区公式サイト「令和8年度住民税の申告について」)。翌年度の日程は、区の案内が出てから確認してください。
▶ 開業届など、ほかの手続きもまとめて見直す
配達を本格的に続けるなら、開業届や国民健康保険・年金の扱いも関わってきます。配達員の開業届・国保・年金|2026年に変わった提出期限と、確定申告の全体像をまとめたデリバリー配達の確定申告|経費と節税のポイントもあわせて読んでおくと、年明けに慌てずに済みます。
勤務先に副業のルール(就業規則など)がある場合は、税の手続きとは別に、そちらも確認しておきましょう。自分のケースで申告が必要か迷ったときは、所轄の税務署や住所地の区市町村の税務担当の窓口に確認するのが確実です。
副業の配達は「記録が残る形」で始める
副業の配達は、稼働する日も時間もばらばらになりがちです。申告の時期に困らないためには、報酬と経費が月ごとに追える形で始めておくのがいちばんの近道です。レンタル料のように月単位で支払う費用は、明細や領収書をそのまま残しておけば、経費の記録にも使いやすくなります。
新宿でデリバリー用の原付を借りるなら
ウバレンは、JR新宿駅東南口から徒歩30秒のデリバリー配達専門レンタル原付バイク店です。全車にスマホホルダーとリアキャリアを備え、任意保険付き・消耗品は当社負担でお渡ししています。初期費用の後払いにも対応しています(審査があり、当店の判断で初期費用が必要になる場合があります)。
料金は50ccが月29,000円(税込)から、125ccが月30,000円(税込)から、屋根付きのジャイロキャノピー50cc(ミニカー仕様)が月38,000円(税込)です。別途、初回手続時に事務手数料3,300円をいただきます。車種のラインアップはお取扱い車両のページを、月額や補償の詳細は料金表のページをご覧ください。
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※本記事の出典は、国税庁ホームページのタックスアンサー「No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人」・「確定申告を要しない場合の意義」・「No.1500 雑所得」・「No.1906 給与所得者がネットオークション等により副収入を得た場合」・「No.2020 確定申告」、国税庁ホームページ「こんな収入の申告漏れにご注意」、新宿区公式サイトの上記2ページ、e-Gov法令検索「所得税法」(第121条)・「地方税法」(第1条・第317条の2・第317条の3・第318条)です(2026年9月23日確認)。本記事では、これらの内容を要約・編集して紹介しています。税額の計算や、ご自身が申告の対象になるかどうかは、所轄の税務署や住所地の区市町村にご確認ください。