
配達中に車とぶつかって、自分がけがをした。そんなとき、病院でマイナ保険証や資格確認書を出してよいのか迷う人は少なくありません。「交通事故は健康保険が使えない」と聞いたことがある人もいるかもしれません。今回は新宿駅前のレンタルバイク専門ウバレンが、健康保険法・国民健康保険法の条文と、厚生労働省・協会けんぽ・新宿区の案内をもとに、相手がいる事故で健康保険を使うときの届出と注意点を整理します(2026年10月時点)。
先にお伝えしておくと、ウバレンの車両に付いている任意保険は、搭乗者傷害が「補償なし」です(料金表・貸渡約款第29条)。乗っていたご自身のけがの治療費は、この保険からは出ません。だからこそ、自分の健康保険をどう使うかを知っておくことが大切です。
交通事故のけがも、健康保険・国保の対象
厚生労働省は、平成23年8月9日の通知「犯罪被害や自動車事故等による傷病の保険給付の取扱いについて」で、犯罪や自動車事故などの被害によるけがや病気は、健康保険法や国民健康保険法などで「一般の保険事故と同様に、医療保険の給付の対象とされています」と示しています。
同じ通知では、次のことも書かれています。
・加害者が「損害賠償の責任を負う」と書いた誓約書は、医療保険の給付を受けるための条件ではなく、提出がなくても給付は行われる
・ひき逃げで相手が分からない場合などでも、保険者は、請求する相手がいないことなどを理由に給付をしない、ということはできない
・相手が自賠責保険に入っていても支払いがすぐに行われない場合など、医療費の負担が一時的に重くなるときも、医療保険を使うことが妨げられないようにする
つまり「交通事故だから健康保険は使えない」というわけではありません。ただし、使うときには届出が必要で、労災が使える場合は話が変わります。順番に見ていきます。
相手がいる事故なら「第三者行為による傷病届」
相手がいる事故のけがの治療費は、本来は相手(加害者)が負担するものです。新宿区の国民健康保険の案内でも、交通事故などで受けたけがの治療費は、加害者が過失割合に応じて負担すべきものと説明されています。健康保険を使った場合は、治療費のうち保険で支払う分(窓口で払う自己負担分を除いた分)を保険者がいったん立て替え、あとから相手に請求します。法律でも、保険者は保険で給付した額を限度に、けがをした人などが相手に対して持つ損害賠償の請求権を取得すると定められています(健康保険法第57条第1項・国民健康保険法第64条第1項)。
そのために必要なのが「第三者行為による傷病届」です。届け出る人と先は、入っている保険で違います。
国民健康保険に入っている場合
国民健康保険法施行規則第32条の6では、けがの原因が第三者の行為によるときは、世帯主が、その事実や第三者の氏名・住所、被害の状況などを、直ちに、住所のある市町村(東京23区では区)に届け出なければならないと定めています。新宿区にお住まいの場合、区の案内では、国保で診療を受けるときはすぐに区の国保給付係へ届け出ることとされ、交通事故の場合は交通事故証明書の原本も必要とされています。事故の内容によって必要な書類が違うため、区に電話などで確認してから届けるよう案内されています。
協会けんぽなど、会社の健康保険に入っている場合
健康保険法施行規則第65条では、被保険者が遅滞なく届書を保険者に提出しなければならないと定めています。協会けんぽの案内では、届書をすぐに出せないときは、取り急ぎ事故の状況を電話などで知らせ、後日できるだけ早く届書を出すよう求めています。交通事故の場合は交通事故証明書を必ず添付し、「物件事故」になっている場合は「人身事故証明書入手不能理由書」が必要です。書類の「被害者」欄は、過失の大小ではなく、けがをした被保険者を被害者として書くよう案内されています。
副業として配達している会社員の方は勤務先の健康保険(協会けんぽや健康保険組合など)が、家族の扶養に入っている方はご家族(被保険者)が入っている健康保険が届出先になります(届書を出すのは被保険者です)。自分がどの保険に入っているか分からない場合は、資格確認書などで保険者名を確かめてください。
示談の前に、健康保険・国保とウバレンへ
相手と早く話をまとめたくなっても、示談は急がないでください。新宿区の案内では、国民健康保険が使えない場合として、加害者から治療費を受け取ったり、示談を済ませた場合が挙げられています。協会けんぽの届出でも、加害者と示談する場合は事前に報告すること、白紙委任状を渡さないこと、金品を受け取った場合は必ず報告することへの同意を求めています。
ウバレンの車両で起きた事故では、レンタル契約の取り決めも関係します。
・貸渡約款第25条:事故が起きたら直ちに運転を中止し、事故の大小にかかわらず法令上の措置をとり、直ちに当社に報告する。相手方と示談その他の合意をするときは、あらかじめ当社の承諾を受ける
・注意事項②:警察への届け出を怠った場合(警察の事故証明が取得できない場合)、相手側と無断で示談した場合、事故現場からウバレンへの連絡を怠った場合などは、補償の適用が受けられない
警察への届出は、健康保険の届出に使う交通事故証明書にもつながります。けが人がいれば救護(必要なら119番)を最優先にしたうえで、警察への届出とウバレンへの連絡を済ませ、示談の前にウバレンの承諾を受け、加入している健康保険・国保にも事前に報告してから、示談の話に進む。この順番を覚えておいてください。
▶ ご自身のけが以外の補償も確認を
相手への賠償は任意保険の対人・対物の対象ですが、注意事項②に当たる場合(無免許・飲酒・ヘルメット未着用・道路交通法違反など)や保険約款の免責事由に当たる場合は、補償が受けられません(貸渡約款第29条)。また、対物には1事故15万円の免責があり、免責金額をお支払いいただけない場合は保険を適用できません。車両の損害は「車両損害免責保障」、盗難は「盗難保障」という別のオプション(各3,500円・免責あり。車両損害免責保障は全損が対象外)です。また、事故などで車両が使えなくなったときは貸渡契約が終了し、原則として、受領済みの料金は返還されず、引取や修理の費用もお客様のご負担になります。ただし、お客様にも当社にも責任のない事由による場合や、貸し渡す前からあった不具合による場合などは扱いが異なります(約款第27条)。車両損害が出た場合は、これとは別にノンオペレーションチャージ(自走可能3万円・自走不可6万円・被害事故2万円。車両損害の状況によって変わる場合があります)がかかります。事故直後の動き方は配達中の事故対応と保険請求の流れ、任意保険の中身は配達原付の任意保険とはで詳しく紹介しています。
労災が使える場合は、健康保険・国保は使えない
健康保険法第55条第1項は、同じけがについて労災保険法などで相当する給付を受けられる場合は、健康保険の給付を行わないと定めています。国民健康保険法第56条第1項も、労災保険法の療養補償給付などを受けることができるときは、国保の給付を行わないと定めています。協会けんぽの案内でも、健康保険で治療を受けられるのは「業務上や通勤災害によるものでなければ」とされています。
反対に、労災保険の給付を受けられない場合は、配達中のけがでも原則として健康保険・国民健康保険の対象になります。健康保険法第1条が保険給付の対象から外しているのは、労働者またはその被扶養者の「業務災害」(労災保険法に規定するもの)だからです。
業務委託で配達している人は、働き方によっては労働者にあたらず、その場合はそのままでは労災保険の対象になりません。ただし、原付で配達している人は労災保険に特別加入できます。特別加入している人が配達中にけがをした場合は、労災保険の給付を受けられる可能性があるため、まずは加入している特別加入団体に相談してください。労災と認められるかどうかは、事故の状況によって個別に判断されます。特別加入の仕組みは配達員は労災保険に入れる?原付バイクの特別加入で解説しています。
なお、厚生労働省の労災保険に関するQ&Aでは、労災にあたるけがで健康保険証を使って受診してしまった場合、加入している健康保険へ労働災害であったことを報告して医療費を返納し、そのうえで労災保険に請求する流れが案内されています。健康保険への返納が完了する前でも、労災保険へ請求できるとされています。迷ったときは、受診した段階で保険の加入先に相談しておくと安心です。
また、新宿区の案内では、飲酒運転や無免許運転など法令違反によるけがも、国民健康保険が使えない場合として挙げられています。ほかの市区町村にお住まいの方は、お住まいの市区町村の案内で確認してください。
けがをしたときに慌てないために
事故のあとは、相手との話や車両のこと、仕事を休む段取りなどで頭がいっぱいになりがちです。自分がどの健康保険に入っているか、特別加入をしているか、レンタル契約で自分のけがが補償されるかを、走り出す前に確かめておくだけで、いざというときの動きがずっと落ち着きます。ウバレンの補償の範囲は料金表で公開していますので、気になる点は契約前にLINEでご確認ください。
新宿でデリバリー用の原付を借りるなら
ウバレンは、JR新宿駅東南口から徒歩30秒のデリバリー配達専門レンタル原付バイク店です。全車にスマホホルダーとリアキャリアを備え、任意保険付きで、消耗品は当社負担です(長期レンタルでは、交換は当社指定の工場で行います)。初期費用の後払いにも対応しています(審査があり、当店の判断で初期費用が必要になる場合があります)。
料金は50ccが月29,000円(税込)から、125ccが月30,000円(税込)から、屋根付きのジャイロキャノピー50cc(ミニカー仕様)が月38,000円(税込)です。別途、初回手続時に事務手数料3,300円をいただきます。車種のラインアップはお取扱い車両のページを、月額や補償の詳細は料金表のページをご覧ください。
完全予約制です。空き状況の確認・お見積りはLINEから、ご予約はLINEまたは予約フォームからお願いします。お問い合わせはLINEのみで承っており、お電話でのお問い合わせは受け付けておりません。ご理解のほどお願いいたします。
※本記事の出典は、e-Gov法令検索「健康保険法」(第1条・第55条第1項・第57条第1項)、「健康保険法施行規則」(第65条)、「国民健康保険法」(第56条第1項・第64条第1項)、「国民健康保険法施行規則」(第32条の6)、出典:厚生労働省ホームページ「犯罪被害や自動車事故等による傷病の保険給付の取扱いについて」(平成23年8月9日 保保発0809第3号ほか)、出典:厚生労働省ホームページ「2-1 健康保険証を使って受診してしまいました。どうしたらよいでしょうか。」、全国健康保険協会(協会けんぽ)ウェブサイト「第三者行為による傷病届」、新宿区ウェブサイト「交通事故などにあったとき(第三者行為)」、当店の料金表・注意事項②・貸渡約款です(いずれも2026年10月14日確認)。本記事では、これらの内容を要約・編集して紹介しています。届出の書類や手続きは保険者によって異なりますので、ご自身が加入している保険者に確認してください。