
配達の合間に燃料計が下がってきて、近くのセルフスタンドに入る。原付で配達をしていると、給油は毎日のようにやる作業です。慣れてくると手早く済ませたくなりますが、ガソリンは静電気の火花でも引火するおそれがある燃料で、入れすぎればこぼれます。今回は新宿駅前のレンタルバイク専門ウバレンが、原付をセルフスタンドで給油するときの順番と、レンタル車両ならではの注意点を、消防庁の注意事項と危険物の法令、メーカーの取扱説明書、ウバレンの案内をもとに整理します(2026年10月時点)。
セルフでも「店が見ている」仕組みになっている
ドライバーが自分で給油するセルフスタンドは、平成10年4月から認められたものです。消防庁の解説によると、それまではドライバーが自ら給油することは認められておらず、従業員が給油の様子を監視することや緊急停止スイッチを設けることなど、一定の安全対策をとることを条件に認められるようになりました。
いまも、危険物の規制に関する規則では、セルフスタンドの側に原則として「顧客の給油作業等を直視等により適切に監視すること」を求めています(条件を満たす自動の監視装置を使う場合の例外がありますが、その場合も係員がすぐに引き継げることが条件です)。給油ノズルについても、(一部の例外を除き)人体にたまった静電気を除去できる構造にすること、燃料タンクが満量になったら自動で止まる構造にすること、1回の給油量と給油時間の上限を設定できる構造にすることが定められています。
つまり、セルフといっても一人きりで作業しているわけではありません。分からないことがあれば、計量機の近くにあるインターホンで従業員に聞いてよいと、消防庁も案内しています。初めてのスタンドで操作に迷ったら、自己流で進めずに聞いてしまうのが早道です。
給油口を開ける前にやる3つのこと
エンジンを止める
スタンドの地面に表示された停止位置に車体を止めたら、まずエンジンを切ります。危険物の規制に関する政令は、給油取扱所での取扱いの基準として「自動車等に給油するときは、自動車等の原動機を停止させること」と定めていて、セルフスタンドにもこの基準が及びます。当店で扱っているホンダ「ディオ」(AF62)の取扱説明書も、ガソリンの補給は必ずエンジンを止め、火気厳禁で行うよう求めています。配達の途中だと、エンジンをかけたままさっと済ませたくなりますが、ここは省けません。
静電気を逃がす
消防庁は、セルフスタンドで給油するときの主な注意事項の1つ目に、静電気除去シートなどで静電気を十分除去することを挙げています。特に冬場は衣服などで体に静電気がたまりやすい季節だとして、注意を呼びかけています。消防庁が平成19年に全国の消防機関へ出した通知でも、給油キャップを開ける前に静電気除去シートに触れるよう給油客に周知することを、セルフスタンドの関係者に徹底するよう求めています。
ディオの取扱説明書にも、燃料タンクキャップを開ける前に車体や給油機などの金属部分に触れて体の静電気を除去すること、給油作業は静電気を除去した人だけで行うことが書かれています。シートに触れたあとで、静電気を除去していない人が代わりに給油するのは避けてください。
給油口の場所と開け方を確かめておく
原付は、車種によって給油口の場所も開け方も違います。ディオの場合は、メインスイッチのキーでシートのロックを外してシートを開け、その下にある燃料タンクキャップを左に回して開けます。
ここで気をつけたいのが鍵です。ディオの取扱説明書には、キーをシート下のトランクに置き忘れたままシートを下げると自動的にロックされ、キーを取り出せなくなると書かれています。給油のあとで手にしたキーをいったんシート下に置き、そのままシートを閉めてしまう、という流れは起こりえます。シートを閉める前に、キーが手元にあるかを確かめる習慣をつけておきましょう。もし鍵が出せなくなったときの動き方は配達中に原付が動かないとき|エンジン不始動と鍵紛失の段取りにまとめています。
当店にはディオのほかにも、50ccのタクトやJOG、125ccのアドレス・アクシスZ・トリシティ、ジャイロキャノピー(ミニカー仕様)、屋根付きのベンリー110など複数の車種があります(お取扱い車両のページ)。借りた車両の給油口の場所や開け方、指定の油種、満タンの目安の位置が分からないときは、受け取りのときに確認するか、LINEでお問い合わせください。
油種は「色」だけで決めない
消防庁が挙げる注意事項の2つ目は、給油する油種を十分に確認することです。ディオの取扱説明書が指定している燃料は無鉛レギュラーガソリンで、軽油や粗悪ガソリン(長期間保管したガソリン)などを補給すると、エンジンなどに悪影響を与えるとされています。
セルフスタンドの給油ホースの近くには、ホース機器の使用方法と油種を表示することが法令で決められています。油種の表示は「ハイオクガソリン」または「ハイオク」、「レギュラーガソリン」または「レギュラー」、「軽油」などとし、色を付ける場合はハイオクが黄、レギュラーが赤、軽油が緑などと定められています。色は目印になりますが、ノズルを持ち上げる前に、借りた車両の指定の油種(ディオならレギュラー)の文字を読んでからにすると確実です。
万一、違う油種を入れてしまったと気づいたら、エンジンをかけずに、その場でスタンドの従業員にインターホンで伝え、当店にもLINEで連絡してください。走り出してから気づいたときも、そのまま走り続けずに安全な場所に止めてエンジンを切り、当店にLINEで連絡して指示を受けてください。なお、ウバレンの注意事項②では、「運転、操作ミスによる故障」を補償の適用が受けられない場合の一つに挙げています。このほか貸渡約款や料金表には、故障などで車両が使えなくなったときに貸渡契約が終わり、受け取り済みの料金は原則返還しないこと、借受人の責任による故障の修理費、ノンオペレーションチャージの定めもあります。入れ間違えたときの扱いは、連絡のときに当店にご確認ください。慌ただしい時間帯ほど、油種の確認は手を止めて行いましょう。
入れすぎない:目安の位置で止める
消防庁の平成19年の通知は、燃料の吹きこぼれは不適切な給油方法などによって起きると考えられるとして、次の給油方法を給油客に周知することを、消防機関を通じてセルフスタンドの関係者に求めています。
- 給油ノズルを止まるところまで確実に差し込む
- 給油ノズルのレバーを止まるところまで確実に引く
- 自動的に給油が止まったら、それ以上の給油はしない
- 給油後は、給油ノズルを確実に元の位置に戻す
給油を始めてすぐに止まってしまい給油できない場合は、従業員に指示を仰ぐよう案内されています。止まるたびにレバーを引き直して少しずつ足す「継ぎ足し」は、この「それ以上の給油はしない」に反するやり方です。
原付の場合は、満タンの目安も取扱説明書で確かめておきます。ディオでは、ガソリンを注入口の下側にあるレベルプレートの下端まで入れるとされ、それ以上に入れると燃料タンクキャップのブリーザ孔からガソリンがにじみ出ることがある、と注意書きがあります。「満タン」とは、注ぎ口いっぱいまでという意味ではありません。上の4つの手順は、通知が「自動車メーカーに相談する」ことにも触れているとおり自動車を念頭に置いた書き方なので、原付では、ノズルが自動で止まるのを待たずに、レベルプレートの下端まで来たらレバーを離して止めてください。こぼれたガソリンはすぐに拭き取るよう取扱説明書にもあります。自分で拭き取れない量がこぼれたときは、インターホンで従業員に知らせてください。
給油が終わったら、ディオではキャップの凸部とタンクの凹部を合わせて右に回し、所定の位置まで確実に締めます。シートを下ろしたら、後部を上から押してロックし、持ち上げてロックがかかったかを確認します。キャップの締め忘れやシートのロック忘れは、走り出してから気づいても遅いので、ここまでを給油の一連の作業と考えてください。
セルフスタンドでやってはいけないこと
消防庁は、給油中の主な注意事項として、ライターやたばこなどの火気を使わないこと、顧客がガソリンを容器へ小分けしないこと、自動車や原動機付自転車以外(例として水上バイク)には給油しないことも挙げています。
配達中にガス欠で止まってしまったとき、「携行缶を持ってスタンドへ行けば自分で入れられる」と考えるのは誤りです。セルフスタンドでも、ガソリンを容器に自分で入れることはできません。そうならないよう、燃料計を早めに見て給油する習慣をつけておくのがいちばんの対策です。燃料の管理の仕方は配達原付のバッテリー・燃料管理の基礎で紹介しています。止まってしまったときは、まず車体を押して道路の端など安全な場所に寄せ、エンジンを無理にかけ直そうとせず、当店にLINEでご相談ください。止まったときの順番は配達中に原付が動かないときにまとめています。
返却の前はガソリン満タンに
レンタル車両の場合、最後の給油は返却の直前です。ウバレンのレンタルの流れのページでは、「車両返却する時はガソリン満タンでご返却ください。」と案内しています。返却時のガソリン代や修理費の精算は当日に現金またはクレジットカードで行い、後日の精算は受け付けていません。
ここでいう満タンも、車種の目安の位置(ディオならレベルプレートの下端)までです。自動で止まる前でも、目安の位置まで来たらそこで止めてください。返却の前に慌ててあふれるまで入れる必要はありません。返却場所に向かう道すじで給油できるスタンドを決めておくと、時間に追われずに済みます。返却当日の流れはレンタルバイク返却時の注意点|トラブル防止ガイドもあわせてご覧ください。
給油の順番を決めておけば迷わない
エンジンを止める、静電気を逃がす、給油口とキーの位置を確かめる、油種の文字を読む、目安の位置まで入れたら止める(自動で止まったときも、それ以上は入れない)、キャップとシートのロックを確かめる。給油は毎日の作業だからこそ、この順番を体に覚えさせておくと、急いでいる日でも抜けがなくなります。借りている車両の給油で分からないことがあれば、LINEでお気軽にお尋ねください。
新宿でデリバリー用の原付を借りるなら
ウバレンは、JR新宿駅東南口から徒歩30秒のデリバリー配達専門レンタル原付バイク店です。全車にスマホホルダーとリアキャリアを備え、任意保険付きで、消耗品は当社負担です(長期レンタルでは、交換は当社指定の工場で行います)。初期費用の後払いにも対応しています(審査があり、当店の判断で初期費用が必要になる場合があります)。
料金は50ccが月29,000円(税込)から、125ccが月30,000円(税込)から、屋根付きのジャイロキャノピー50cc(ミニカー仕様)が月38,000円(税込)です。別途、初回手続時に事務手数料3,300円をいただきます。車種のラインアップはお取扱い車両のページを、月額や補償の詳細は料金表のページをご覧ください。
完全予約制です。空き状況の確認・お見積りはLINEから、ご予約はLINEまたは予約フォームからお願いします。お問い合わせはLINEのみで承っており、お電話でのお問い合わせは受け付けておりません。ご理解のほどお願いいたします。
※本記事の出典は、総務省消防庁「消防の動き 2019年12月号「セルフスタンドにおける安全な給油について」(PDF)」、同「顧客に自ら給油等をさせる給油取扱所における給油時の安全対策について(平成19年3月16日 消防危第61号・PDF)」、e-Gov法令検索「危険物の規制に関する政令」(第27条第6項第1号・第1号の3)・「危険物の規制に関する規則」(第28条の2の5・第40条の3の10)、本田技研工業「ディオ 取扱説明書」(同社ウェブサイト掲載のPDF)です(いずれも2026年10月5日確認)。本記事では、これらの内容を要約・編集して紹介しています。給油口の位置や開け方、満タンの目安は車種によって異なります。実際の車両では取扱説明書と店の案内、スタンドの表示を確認してください。