
江戸川・葛西・浦安は、東京の東の端と千葉県の入口がとなり合うエリアです。住宅の多いエリアですが、原付で走るなら「川」と「都県境」を先に意識しておく必要があります。渡れる橋が限られていること、同じ道路名でも、原付で入れるかどうかは名前だけでは決まらないこと、浦安側では警察も千葉県警察の管轄に変わること。今回は新宿駅前のレンタルバイク専門ウバレンが、区・市・県や警察、道路会社が公表している資料をもとに、このエリアを走る前に決めておきたいことを整理します(2026年9月時点)。
江戸川区は、大きな川と海に囲まれた低地の多いまち
江戸川区で動線を考えるとき、まず見ておきたいのは川です。江戸川区公式ホームページの「江戸川区の地形」は、区の位置を「江戸川・荒川の大河川や海に囲まれた河口に位置する」と説明し、区面積の7割が満潮位以下の「ゼロメートル地帯」と呼ばれる低地だとしています。
配達の目線に置き換えると、ピックアップ先とドロップ先の間に大きな川が入る案件は、橋の位置で経路が決まるということです。とくに千葉県側とは江戸川・旧江戸川で隔てられているので、都県境をまたぐ案件には必ず橋が入ります。地図上の直線距離が短く見えても、実際の経路は橋に引っぱられます。案件を受ける前に、2つの地点の間に大きな川が入っていないかを確かめておくと、所要時間の読み違いを減らしやすくなります。
なお同じページで区は、洪水はもとより「区内全域が高潮による浸水被害の危険にさらされている地域」だとも書いています。台風や大雨の予報が出ている日に稼働するかどうかは、気象情報と区(浦安側では市)の発表を見てから決めてください。
葛西事務所の管内に、区の人口の3分の1を超える人が住んでいる
江戸川区が公表している「江戸川区人口の現況(令和8年9月1日現在)」によると、区全体の人口は701,559人で、そのうち葛西事務所の欄に計上されている人口が257,644人です。区の人口の3分の1を超える数が、葛西事務所の担当する地域に集まっている計算になります。区のホームページでは、葛西事務所の所管区域として、東葛西・西葛西・中葛西・南葛西・北葛西のほか、船堀・宇喜田町・清新町・臨海町なども挙げられています。
住んでいる人が多いということは、届け先になりうる住まいがそれだけ多いということです。集合住宅への配達が続く場面では、建物に入ってから部屋の前に着くまでの時間が1件ごとの差になります。エントランスや置き配の段取りは配達のマンション受け渡し|オートロックと置き配の段取りにまとめていますので、あわせて読んでおくと現地で迷いにくくなります。
都県境の江戸川・旧江戸川は、渡れる橋が限られている
江戸川区と千葉県側を行き来する案件は、距離だけでなく橋の混み具合でも時間が変わります。千葉県が公表している旧江戸川の新しい橋の事業の概要説明資料には、「東京都江戸川区と千葉県葛南地域は、江戸川・旧江戸川によって隔たれ、都県間の移動の際には、これらの河川を渡河する必要があるが、橋梁が限られていることから交通が集中し、慢性的な交通混雑が発生している。」と書かれています。
同じ資料には、都県境の橋として4つの橋の1日あたりの交通量と混雑度が載っています(平成27年度の道路交通センサスの数字です)。
▶ 都県境の橋の交通量と混雑度(平成27年度・千葉県の資料より)
市川橋:35,027台/日(混雑度1.54)
今井橋:27,029台/日(混雑度1.16)
浦安橋:30,955台/日(混雑度1.24)
舞浜大橋:53,797台/日(混雑度1.96)
混雑度は数字が大きいほど混んでいることを表す指標です。同じ資料の凡例では1.75以上を慢性的な混雑の状態としており、千葉県の一般道路(DID地区)の混雑度の平均値は1.01と書かれています。表の4つの橋は、1.75に届かない橋も含めて、いずれもこの平均値を上回っています。資料の図では、一般道路の橋の間隔も示されていて、市川橋と今井橋の間は約8.0km、今井橋と浦安橋の間は約1.8km、浦安橋と舞浜大橋の間は約3.3kmです(市川橋と今井橋の間にある江戸川大橋は、京葉道路の橋として別に描かれています)。どの橋を原付で渡れるかはこの資料には載っていないので、橋の入口の標識も確認してください。
10年以上前の調査なので、いまの交通量や混雑度とは違っている可能性があります。ただ、千葉県がこの資料で説明しているように、橋が限られているために都県境の橋に車が集まりやすいという構造は、橋の数が変わらない限り大きくは変わりにくいと考えられます。
実務では、東京側・千葉側のどちらを中心に稼働するかを時間帯ごとに決めておき、橋をまたぐ案件は受ける前に一度考える、という形が現実的です。こうした案件を続けて受けると、その往復が1日の中で積み上がっていきます。
「京葉道路」は、名前だけで通れるかを判断しない
このエリアでいちばん紛らわしいのが道路の名前です。結論から言うと、「京葉道路」という名前だけでは、原付で入れるかどうかは決まりません。見るべきなのは、入口の標識です。
NEXCO東日本のドライバーズサイト「ドラぷら」の「高速道路を通行できない車両について」では、京葉道路は「自動車専用道路」の例として挙げられており、表の中で原動機付自転車も、125cc以下の自動二輪車も「×」になっています。つまり、自動車専用道路を走れないのは50ccだけではありません。ミニカー仕様のジャイロキャノピーも、自動車専用道路には入れません(国家公安委員会の「交通の方法に関する教則」は、高速自動車国道と自動車専用道路をまとめて高速道路と呼び、そこではミニカー・小型二輪車・一般原動機付自転車は通行できないとしています)。
一方で、同じNEXCO東日本が令和7年7月8日に出したお知らせは、一之江から篠崎インターチェンジの間にある交差点の夜間通行止めを「京葉道路(平場区間)」の工事として案内し、交差点を閉鎖する間は路線バスが迂回して運行する予定だとも書いています。このように「京葉道路」という同じ名前が、原付が入れない自動車専用道路の例としても、交差点のある「平場区間」の案内でも使われています。さらに東京都建設局の「東京都通称道路名」の一覧では、墨田区両国一丁目から江戸川区篠崎町二丁目までの道路にも「京葉道路」という通称が付けられています。「京葉道路だから全部入れない」とも「平場や一般道の区間なら入れる」とも決めつけず、入口の標識で確かめてください。
▶ 判断は名前ではなく標識で
ドラぷらの同じページには、高速自動車国道と自動車専用道路には「自動車専用であることを示す道路標識(青地に白の自動車マーク)が設置されています」とあります。ナビに出てくる道路名や、人から聞いた通り名で判断せず、この標識が見えたら入らない、を徹底してください。ただし、この標識がないからといって原付で通れるとは限りません。二輪の通行止めなど、ほかの標識もあわせて確認してください。
ナビについては、同じページに「原付や自転車がナビアプリの誘導により、高速道路に誤進入する事案が増加しています。原付や自転車でナビアプリを利用する際は高速道路を使わない経路案内方法を設定してください。」という呼びかけもあります。浦安市の紹介ページにもあるとおり、浦安には首都高速湾岸線も通っているので、ナビの設定は稼働前に見直しておいてください。入れない道の見分け方は原付が入れない道の見分け方|標識と50cc・125ccの違いで標識ごとに整理しています。
浦安は、古い市街地と埋め立てのまちが隣り合っている
浦安は、同じ市内でもエリアによって街の作りがまったく違います。浦安市の紹介ページ「おいでよ浦安」によると、浦安はかつて「三方を海と川に囲まれた「陸の孤島」と呼ばれた漁業の町」でした。昭和37年の漁業権の一部放棄と、昭和46年の全面放棄を契機に海面の埋め立てが進み、市の面積は約4倍になっています(現在の行政面積は、令和6年4月1日に見直された18.79平方キロメートル)。
市はその市内を、次の5つの地域に分けて紹介しています(ここでは工業ゾーンとアーバンリゾートゾーンをまとめて書きます)。
▶ 元町
埋め立てで市域が広がる前からあった、浦安の「もともとの町」。古くからの市街地です。
▶ 中町
昭和39年から始まった埋め立てで生まれたエリアで、総合開発計画に基づいて住宅や公園、商業施設が整備されました。市は中町の紹介の中で、京葉線新浦安駅の周辺にも触れています。
▶ 新町
第2期の埋め立てで造成されたエリアで、高層・超高層の住宅群が並びます。
▶ 工業ゾーン・アーバンリゾートゾーン(舞浜)
鉄鋼流通などの工業が集まる地域と、舞浜のテーマパークとホテル群を中心とした地域です。
配達で効いてくるのは、古くからの市街地と、計画的に造られたまちが隣り合っていることです。街区の作りが違えば、建物の探し方も停める場所の探し方も変わります。同じ浦安の案件でも、元町側と新町側では1件にかかる時間の感覚を分けておくほうが、予定が崩れにくくなります。
片側3車線以上の道の信号のある交差点では、50ccは原則二段階右折になる
浦安市は中町の紹介の中で、新浦安駅周辺に「片道4車線のシンボルロード」も整備されたと書いています。こうした広い道で気をつけたいのが、50ccの右折の方法です。
道路交通法第34条第5項は、一般原動機付自転車が、道路の左側部分に車両通行帯が3つ以上ある道路で、信号などで交通整理が行われている交差点を右折するときは、あらかじめ道路の左側端に寄り、交差点の側端に沿って徐行して進むこと、つまり二段階右折をすることを定めています。道路標識などで二段階右折が指定されている交差点も同じです。ただし、車両通行帯が3つ以上ある道路でも、道路の中央(一方通行の道路では右側端)に寄って右折するよう道路標識などで指定されている交差点は、その指定に従います。
この条文の対象は一般原動機付自転車なので、原付二種(最高出力4.0キロワット超の125cc)は二段階右折の対象になりません。なお、125ccでも最高出力4.0キロワット以下の新基準原付は一般原付の扱いで、二段階右折が必要です。ミニカー仕様のジャイロキャノピーは、道路交通法の上では普通自動車の扱いなので対象外です。一方で50ccは、広い道が続くエリアほど右折のたびに信号を2回待つ場面が増えます。50ccと125ccの交通ルールの違いは原付配達の交通違反リスクと守るべき道交法ポイントで詳しく扱っています。
都県境を越えると、警察署も変わる
江戸川区は警視庁、浦安市は千葉県警察の管轄です。そして江戸川区の中も、1つの警察署ではありません。警視庁ホームページの「江戸川区から探す」では、江戸川区内は葛西警察署・小岩警察署・小松川警察署の3つに分かれていて、丁目や番地の単位で管轄が分かれている場所もあります。西葛西や中葛西などは葛西警察署です。一方、千葉県警察の浦安警察署は、自らを「浦安市一市を管轄する警察署」と紹介しています。
これが配達員に関係してくるのは、駐車違反をしてしまったときです。ウバレンの注意事項では、放置車両確認標章が貼られたら、標章に記載されている警察署に出頭して反則金を支払い、当店にLINEで連絡したうえで、返却時に領収書を見せていただくことになっています。返却時に支払いが確認できない場合は、駐車違反1件ごとに3万円をお支払いいただきます。
貸渡約款第17条では、違法駐車をしたら直ちに「違法駐車をした地域を管轄する警察署」へ出頭し、レッカー移動や保管などにかかった費用も借り手が負担することが定められています。また、返却までに処理しなかった場合は、放置違反金相当額と駐車違反違約金に加えて、探索や車両の移動・保管にかかった費用を支払うこととされています。浦安で標章を貼られれば、行き先は千葉県側の警察署です。東京の感覚で行き先を決めつけず、標章に書かれた警察署を必ず確認してください。
事故を起こしたときも、警察への届け出と当店への連絡が欠かせないのは、東京でも千葉でも同じです。注意事項では、事故現場から警察への届け出を怠った場合や、当店への連絡を怠った場合は、補償の適用が受けられないと定めています。停め方と待機場所の考え方はデリバリー配達の待機場所|原付の停め方と駐車のルールを参考にしてください。
新宿から離れたエリアで走るなら、走行距離も計算に入れる
江戸川・葛西・浦安で稼働する場合は、走った距離の合計も見ておいてください。ウバレンの料金表では、レンタル開始時の走行距離から30日後の時点で、走った距離に応じて料金が加算されます。レンタルの流れのページでは、30日後の更新時に走行距離が超過していた場合は、その場で精算(現金・クレジットカード)と案内しています。
▶ 走行距離による加算(レンタル開始から30日後の時点・税込)
500km〜1,000km:3,000円
1,001km〜2,000km:5,000円
2,001km〜3,000km:8,000円
以降は500kmごとに3,000円
車両のお渡しは新宿本店・西巣鴨店のいずれかで、どちらになるかは当店の都合で決まります。返却は当店が指定する場所で、店舗によって異なります。受け取りと返却のときに走る分も、橋をまたいで行き来した分も、メーターにはそのまま乗ります。稼働エリアを東京側か千葉側のどちらかに寄せておくと、配達の効率だけでなく、この加算の面でも無駄が出にくくなります。料金の詳細は料金表のページでご確認ください。
江戸川・葛西・浦安は、川と都県境を先に読んでから走る
江戸川・葛西・浦安は、住宅の多さという強みがある一方で、橋の数、道路の名前、警察の管轄と、都心のエリアにはない「境目」の要素が重なるエリアです。どれも走り出してから気づくと、時間を失うだけでなく危ない場面にもつながりやすいので、先に知って手前で備えておきたいものです。
借りる車両も、この境目に合わせて考えられます。広い道が多い地域で右折のたびに二段階を踏むのが負担なら125cc、雨の日の稼働まで考えるなら屋根付きのジャイロキャノピー、というように、稼働エリアの道路事情から逆算して排気量や車両を考えておくと、選ぶときの目安になります。ウバレンでは、排気量はお申し込みのときにご希望を伺います(空き状況によります)。車種の指定は原則できませんが、ジャイロキャノピー(ミニカー仕様)は指定できます。必要な免許は車両によって違います。125cc(原付二種)は普通自動車免許だけでは運転できず、小型限定普通二輪免許(AT限定可)以上が必要です。ジャイロキャノピー(ミニカー仕様)は普通自動車免許(AT限定可)で運転でき、原付免許では運転できません。借りる前に、ご自身の免許で乗れる車両かを必ず確認してください。
新宿でデリバリー用の原付を借りるなら
ウバレンは、JR新宿駅東南口から徒歩30秒のデリバリー配達専門レンタル原付バイク店です。全車にスマホホルダーとリアキャリアを備え、任意保険付き・消耗品は当社負担でお渡ししています。初期費用の後払いにも対応しています(審査があり、当店の判断で初期費用が必要になる場合があります)。
料金は50ccが月29,000円(税込)から、125ccが月30,000円(税込)から、屋根付きのジャイロキャノピー50cc(ミニカー仕様)が月38,000円(税込)です。別途、初回手続時に事務手数料3,300円をいただきます。車種のラインアップはお取扱い車両のページを、月額の詳細は料金表のページをご覧ください。
完全予約制です。空き状況の確認・お見積りはLINEから、ご予約はLINEまたは予約フォームからお願いします。お問い合わせはLINEのみで承っており、お電話でのお問い合わせは受け付けておりません。ご理解のほどお願いいたします。
※本記事の地域・道路・警察に関する記述の出典は、江戸川区公式ホームページ「江戸川区の地形」、江戸川区公式ホームページ「町丁目別世帯と人口・年齢別人口報告〈2026年度〉」(事務所別の世帯と人口・令和8年9月1日現在)、江戸川区公式ホームページ「葛西事務所」(所管区域)、千葉県ホームページ「「一般国道126号山武東総道路三期」及び「旧江戸川橋梁(仮称)新設事業」の公共事業事前評価自己評価調書に係る意見募集結果について」(旧江戸川橋梁(仮称)新設事業 概要説明資料)、NEXCO東日本 ドラぷら「高速道路を通行できない車両について」、NEXCO東日本「国道14号(【E14】京葉道路 一之江~篠崎IC間)下り線 谷河内西交差点(仮称)・谷河内交差点(仮称)夜間通行止めのお知らせ」(令和7年7月8日)、東京都建設局「東京都通称道路名」、警視庁ホームページ「江戸川区から探す」、千葉県警察「浦安警察署」、警察庁ウェブサイト「交通の方法に関する教則」(PDF)、浦安市ホームページ「おいでよ浦安」「元町地域の紹介」「中町地域の紹介」「新町地域の紹介」「浦安市の海面埋め立て」、および道路交通法(e-Gov法令検索)です(2026年9月15日確認)。本記事では、これらの内容を要約・編集して紹介しています。交通規制や道路の状況は変わることがありますので、実際に走行する際は現地の道路標識と警察の案内に従ってください。